多くの人が、「なぜゴミ屋敷になってしまうの?」と疑問に思うかもしれません。単に「だらしないから」「片付けが苦手だから」といった理由で片付けられない人もいますが、ゴミ屋敷とまでなってしまう状況には、より根深い心理的な原因が潜んでいることがほとんどです。片付けられない心理的原因を理解することは、自分自身の問題と向き合うため、あるいは周囲の人が支援するために非常に重要です。最もよく見られる心理的原因の一つは、「圧倒されてしまう」ことです。ゴミや不用品が大量に積み重なった部屋を目の前にすると、その量の多さに圧倒され、「どこから手をつけて良いか分からない」「自分には無理だ」と感じ、思考停止状態に陥ってしまいます。あまりにも問題が大きく感じられるため、片付けを始めること自体が困難になるのです。また、「完璧主義」が裏目に出ることもあります。「完璧に片付けなければ意味がない」と考えすぎてしまい、少し片付けても理想の状態に程遠いため、「どうせやっても無駄だ」と諦めてしまったり、完璧な計画を立てられずにいつまでも着手できなかったりします。完璧な状態を目指すあまり、かえって何もできなくなってしまうのです。「判断ができない」というのも大きな原因です。物一つ一つに対して、「必要か不要か」「どこにしまうべきか」といった判断を下すことに強いストレスを感じたり、迷ってしまったりします。特に、過去の思い出や感情が結びついた物については、手放すことへの抵抗感が強くなります。ため込み症の場合、この判断困難さが顕著に現れます。「先延ばし癖」も片付けられない心理と関連があります。面倒な作業である片付けを避け、後回しにしてしまう癖がついてしまうのです。最初は小さな散らかりでも、「また今度でいいや」と先延ばしにしているうちに、どんどん物が溜まっていき、手に負えない状態になってしまいます。
なぜ片付けられない?心理的原因を探る