中古住宅の契約後に発生するトラブルの中でも、特に多いのが、隠れた瑕疵(かし)に関するものです。ここでは、隠れた瑕疵とはどのようなものなのか、具体的な事例と、その対処法について解説します。まず、瑕疵とは、売買契約の対象となる物件に、通常備わっているべき品質や性能が欠けている状態のことです。中古住宅の場合、築年数が経過しているため、どうしても、経年劣化による不具合が発生する可能性が高くなります。しかし、売主が、これらの不具合を、事前に告知していなかった場合、それは瑕疵として扱われます。次に、具体的な瑕疵の事例です。1つ目は、雨漏りです。屋根や、外壁からの雨漏りは、建物の内部を腐食させ、シロアリを呼び寄せる原因にもなります。雨漏りは、早期に発見し、修理をすることが重要です。2つ目は、シロアリ被害です。シロアリは、木材を食い荒らす害虫で、建物の構造を脆くしてしまう可能性があります。3つ目は、建物の傾きや、不同沈下です。建物の傾きや、不同沈下は、建物の強度に影響を与えるだけでなく、居住者の健康にも悪影響を与える可能性があります。これらの瑕疵は、目視では確認しにくい場合もあり、専門家(建築士や、住宅診断士)に依頼して、事前に調査してもらうことをおすすめします。もし、瑕疵が発覚した場合は、売主に対して、補修費用を請求したり、契約解除を求めることができます。中古住宅の契約後、引き渡しの段階で、契約内容と異なる状態であることが発覚するトラブルも少なくありません。ここでは、契約内容と異なる引き渡しがあった場合の事例と、その対処法について解説します。まず、契約内容と異なる引き渡しの事例です。1つ目は、設備や備品の不具合です。契約書に記載されていた設備や、備品が、引き渡しの際に、故障していたり、破損していたりする場合があります。例えば、エアコンが動かなかったり、給湯器が故障していたり、照明器具が不足していたりするケースがあります。2つ目は、リフォーム内容の不一致です。契約時に、リフォーム内容が約束されていた場合でも、実際に引き渡しを受けてみると、リフォームが完了していなかったり、リフォーム内容が契約内容と異なっている場合があります。3つ目は、境界線の相違です。契約時に示された境界線と、実際の境界線が異なっている場合があります。