ゴミ屋敷住人の心の支援のあり方
ゴミ屋敷に住む人々は、その部屋の状態と同様に、心の中にも様々な「闇」を抱えていることがあります。深い孤独感、自己否定感、将来への絶望、あるいは過去のトラウマなど、言葉にできない、あるいは誰にも話せないような心の痛みを抱えていることが多いです。そして、これらの心の状態が、部屋のゴミ屋敷化をさらに深刻化させていく悪循環に陥っています。ゴミ屋敷の住人が抱える最も一般的な心の闇は、「恥」と「罪悪感」です。自分の住まいがこのような状態であることを知られるのが恥ずかしい、友人や家族に顔向けできないという気持ちが非常に強いです。また、ここまで状況を悪化させてしまったことへの強い罪悪感に苛まれています。これらの感情から、外部との接触を避け、部屋に引きこもりがちになり、さらに孤立を深めてしまいます。「変化への恐れ」も大きな心の壁となります。長年ゴミに囲まれた環境で生活してきた人にとって、たとえ不潔であっても、その空間はある意味「慣れ親しんだ場所」であり、心理的な安定をもたらしていることがあります。そこから抜け出し、生活を大きく変えることへの不安や恐れが強く、現状維持を選んでしまうことがあります。片付けが進むことで、これまで目を背けてきた自分自身の問題(孤独、経済的な困難、病気など)と向き合わなければならなくなることへの恐れも影響しているかもしれません。また、「プライドの高さ」も支援を拒む要因となることがあります。特に、以前はしっかりしていた人や、周囲から尊敬されていた人は、「他人の助けを借りることは、自分が何もできないことを認めることだ」と感じ、プライドが邪魔をして支援を受け入れられないことがあります。「人に頼るくらいなら、このままの方がましだ」と考えてしまうのです。